炎症性粉瘤

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炎症性粉瘤の症状・原因・治療法|痛みや腫れがある方へ

炎症性粉瘤の症状と治療

「粉瘤が急に赤く腫れて痛み出した」「触ると熱を持っている」——このような症状があれば、それは炎症性粉瘤かもしれません。炎症性粉瘤は通常の粉瘤とは異なり、放置すると症状が急速に悪化するため、早急な対応が必要です。

本記事では、形成外科専門医の監修のもと、炎症性粉瘤の見分け方から適切な治療のタイミング、実際の治療の流れまでを詳しく解説します。

炎症性粉瘤とは|通常の粉瘤との決定的な違い

炎症性粉瘤とは、皮膚の下にできた粉瘤(アテローム)に細菌が感染し、炎症や化膿を起こした状態を指します。「化膿性粉瘤」と呼ばれることもあります。

通常の粉瘤は痛みがなく、ゆっくりと大きくなるため「そのうち病院に行こう」と後回しにされがちです。しかし炎症性粉瘤は、数日のうちに急激に症状が進行し、強い痛みや腫れを引き起こします。

比較項目通常の粉瘤炎症性粉瘤
痛みなしズキズキとした強い痛み
見た目肌色〜やや白っぽいしこり赤く腫れ上がり、範囲が広がる
触った感触硬いしこり柔らかく、熱を持っている
進行速度数ヶ月〜数年でゆっくり増大数日で急激に悪化
臭いほとんどなし膿の独特な悪臭を伴うことがある
緊急性計画的に受診可能できるだけ早い受診が必要

炎症性粉瘤の症状|受診すべき5つのサイン

炎症性粉瘤の症状

以下の症状が1つでも当てはまる場合は、炎症性粉瘤の可能性が高いため、早めの受診をおすすめします。

①赤みと腫れ
粉瘤の周囲が赤く変色し、元のサイズより明らかに大きく腫れている状態です。炎症が広がると、赤みの範囲も拡大していきます。

②拍動するような痛み
心臓の鼓動に合わせてズキズキと痛む感覚があります。安静にしていても痛みが続き、日常生活に支障をきたすこともあります。

③患部の熱感
触ると周囲の皮膚より明らかに温かく感じます。これは体が細菌と戦っている炎症反応のサインです。

④皮膚の変化
表面の皮膚が薄くなり、光沢を帯びてくることがあります。これは内部に膿が溜まり、圧力が高まっているサインです。

⑤膿や内容物の漏出
粉瘤が自然に破れ、膿や臭いのある内容物が出てくることがあります。この状態を「自壊(じかい)」と呼び、直ちに医療機関を受診する必要があります。

なぜ粉瘤は炎症を起こすのか|3つの主な原因

粉瘤が炎症性粉瘤へと悪化する原因は、主に以下の3つに分類されます。

原因1:細菌感染

粉瘤の中心には「へそ」と呼ばれる小さな開口部があります。ここから皮膚表面の細菌が侵入すると、粉瘤内部で急速に増殖します。粉瘤の袋の中には免疫細胞がほとんど存在しないため、一度細菌が入り込むと感染が広がりやすいのです。

原因2:物理的な刺激

衣類との摩擦、ベルトやカバンの圧迫、無意識に触ってしまう癖などが引き金となることがあります。特に背中やお尻、股関節周辺など、日常的に圧力がかかりやすい部位の粉瘤は炎症を起こしやすい傾向にあります。

原因3:自己処置の試み

「自分で絞り出せば治るかもしれない」と粉瘤を潰そうとする行為は、最も危険な炎症の原因です。不衛生な状態での処置により細菌が入り込み、炎症が急激に悪化するケースが後を絶ちません。

炎症性粉瘤を放置するとどうなる?|悪化の4段階

炎症性粉瘤を放置した場合、症状は以下のように段階的に悪化していきます。

第1段階:軽度の炎症
赤みが出始め、押すと軽い痛みを感じる状態です。この段階で受診すれば、抗生物質の内服と経過観察で改善することもあります。

第2段階:膿瘍(のうよう)の形成
粉瘤の内部に膿が溜まり、大きく腫れ上がります。強い痛みと熱感を伴い、この段階では切開して膿を出す処置が必要になります。

第3段階:自壊(破裂)
内部の圧力に耐えきれず、皮膚が破れて膿が排出されます。一時的に痛みは和らぎますが、開いた傷口から新たな細菌が侵入し、感染がさらに拡大するリスクがあります。

第4段階:蜂窩織炎(ほうかしきえん)への進展
感染が周囲の皮下組織に広がり、広範囲に赤く腫れ上がります。発熱や全身倦怠感を伴うこともあり、入院治療が必要になる場合もあります。

このような重症化を防ぐためにも、炎症の兆候を感じたら早めに医療機関を受診することが大切です。

炎症性粉瘤の治療法|状態に応じた2つのアプローチ

炎症性粉瘤の治療

炎症性粉瘤の治療は、炎症の程度によって方針が異なります。

軽度の炎症:抗生物質による保存的治療

赤みはあるが膿瘍形成には至っていない初期段階では、抗生物質の内服で炎症を抑えられる場合があります。ただし、これはあくまで炎症を鎮める対症療法であり、粉瘤そのものがなくなるわけではありません。炎症が落ち着いた後、改めて根治手術を検討します。

中等度〜重度の炎症:切開排膿+後日の根治手術

膿が溜まっている場合は、まず切開して膿を排出する「切開排膿術」を行います。これにより痛みは大幅に軽減されますが、粉瘤の袋(嚢腫壁)は残っているため、このままでは再発します。

炎症が完全に治まった1〜2ヶ月後に、改めて粉瘤の袋を摘出する根治手術を行うのが一般的な治療の流れです。

なぜ2段階で治療するのか?

炎症を起こしている状態では、粉瘤の袋が脆くなり周囲の組織と癒着しているため、完全に摘出することが困難です。無理に手術を行うと、袋の一部が残って再発するリスクが高まります。炎症が治まり組織が安定してから手術することで、確実な摘出と傷跡の最小化が可能になります。

炎症が落ち着いた後の根治手術|2つの術式

炎症が治まった後の根治手術では、主に以下の2つの術式から、粉瘤の状態に応じて最適な方法を選択します。

術式くり抜き法(へそ抜き法)切開法(紡錘形切除)
切開の大きさ直径2〜5mm程度の小さな穴粉瘤に応じた紡錘形の切開
傷跡小さく目立ちにくいやや大きくなるが確実に摘出可能
手術時間10〜15分程度15〜30分程度
適応炎症後も癒着が少ない場合癒着が強い場合、大きな粉瘤
再発リスク技術により左右される極めて低い

炎症性粉瘤の既往がある場合、周囲との癒着が生じていることが多いため、確実に摘出できる切開法が選択されるケースが多くなります。どちらの術式が適しているかは、医師の診察により判断します。

→粉瘤の手術について詳しく知りたい方は『粉瘤(アテローム)とは?安心して治療を受ける方法を解説』をご覧ください。

炎症性粉瘤の治療費用|保険適用で受けられます

炎症性粉瘤の治療は健康保険が適用されます。以下は当院での費用目安です。

炎症性粉瘤の治療費用(3割負担の場合)
治療内容費用目安備考
切開排膿術(応急処置)3,000〜5,000円程度膿を出す処置のみ
根治手術(露出部・2cm未満)5,000〜6,000円程度顔・首・手など
根治手術(露出部・2〜4cm)11,000〜12,000円程度同上
根治手術(非露出部・3cm未満)4,000〜5,000円程度背中・お尻など
根治手術(非露出部・3〜6cm)10,000〜11,000円程度同上

※上記に加え、初診料・再診料(1,000円程度)、検査費用(1,000円程度)、病理検査費用(3,000円程度)が別途かかります。
※炎症性粉瘤の場合、切開排膿術と根治手術の2回の治療が必要になることがあります。

粉瘤が破裂してしまった場合の対処法

粉瘤破裂時の対処

炎症性粉瘤が自然に破裂してしまった場合、以下の応急処置を行い、できるだけ早く医療機関を受診してください。

①清潔なガーゼで覆う
排出された膿や内容物を清潔なガーゼやタオルで軽く押さえ、傷口を保護します。強く押したり絞り出そうとしたりしないでください。

②患部を清潔に保つ
可能であれば水道水で軽く洗い流し、新しいガーゼで覆います。消毒液の使用は傷の治癒を遅らせることがあるため、水洗いで十分です。

③速やかに受診する
破裂した粉瘤は感染が広がりやすい状態です。当日または翌日には医療機関を受診し、適切な処置を受けてください。

絶対にやってはいけないこと
残りの内容物を絞り出そうとする行為は厳禁です。かえって感染を広げ、周囲の組織にダメージを与える原因となります。

炎症性粉瘤に関するよくある質問

Q. 粉瘤が赤くなっていますが痛みはありません。受診すべきですか?

はい、受診をおすすめします。赤みは炎症の初期サインであり、放置すると数日のうちに痛みや腫れが出てくる可能性があります。この段階で対処すれば、切開排膿を避けられることもあります。

Q. 炎症性粉瘤は市販の塗り薬で治せますか?

残念ながら、市販の塗り薬では炎症性粉瘤を治すことはできません。粉瘤は皮膚の深い層にあるため、外用薬では届きません。また、感染を起こしている場合は内服の抗生物質が必要です。症状を悪化させる前に、医療機関を受診してください。

Q. 炎症を起こした粉瘤は、その場で完全に取り切れますか?

炎症が強い状態での完全摘出は困難です。炎症により粉瘤の袋が脆くなり、周囲と癒着しているため、無理に摘出すると袋が残って再発するリスクがあります。通常は、まず切開排膿で炎症を鎮め、1〜2ヶ月後に根治手術を行う2段階の治療となります。

Q. 炎症性粉瘤の手術は痛いですか?

手術は局所麻酔下で行うため、術中の痛みはほとんどありません。ただし、炎症を起こしている状態では麻酔が効きにくいことがあるため、追加の麻酔を行うこともあります。術後は痛み止めを処方しますので、通常の生活に大きな支障はありません。

Q. 炎症性粉瘤は何科を受診すればよいですか?

皮膚科または形成外科を受診してください。特に手術による根治治療を希望する場合は、粉瘤手術の実績が豊富なクリニックを選ぶことをおすすめします。当院では形成外科専門医が診察から手術まで一貫して対応しています。

Q. 一度炎症を起こした粉瘤は、また炎症を起こしやすいですか?

はい、その通りです。一度炎症を起こした粉瘤は袋が傷んでおり、再び細菌が侵入しやすい状態になっています。炎症を繰り返すたびに周囲との癒着が進み、手術も難しくなります。炎症が落ち着いたら、できるだけ早く根治手術を受けることをおすすめします。

東京(日本橋)で炎症性粉瘤の治療ならアイシークリニック東京院へ

炎症性粉瘤は、痛みや腫れを伴い日常生活に支障をきたすことも少なくありません。「もう少し様子を見よう」と放置すると、症状が急激に悪化し、治療が複雑になる可能性があります。

アイシークリニック東京院では、形成外科専門医が患者様の状態を丁寧に診察し、炎症の程度に応じた最適な治療プランをご提案しています。

当院が選ばれる理由

アイシークリニックの特徴

形成外科専門医による治療
傷跡を最小限に抑えることを重視し、見た目の仕上がりにもこだわった治療を行っています。

患者様に合わせた治療

当日対応も可能
炎症性粉瘤の緊急性を理解し、できる限り当日中の処置に対応しています。痛みでお困りの方はお電話でご相談ください。

痛みの少ない治療

日帰り手術・保険適用
手術は20分程度で終了し、その日のうちにお帰りいただけます。健康保険が適用されるため、費用面でも安心です。

粉瘤が痛み出した、赤く腫れてきたなど、気になる症状がある方は、症状が悪化する前にお早めにご相談ください。

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

プロフィールを見る

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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